『 白銀の墟 玄の月』感想(14)阿選麾下たちのその後

前回に引き続き、阿選麾下のその後と題してお送りします。


恵棟については、正直語り足りない!(笑)
しかし、俺の一人語りは長すぎるwww

なので今回は恵棟のことはさておき、他の阿選麾下についてまとめました。

1,2巻で複数の阿選麾下の心情が綴られており、3,4巻でもきっと何かしら活躍するんだろうなぁと思っていたのですが、

まさかまさかな展開でしたね(・_・;)

ということでさっそくネタバレ注意!


イラスト 『 白銀の墟 玄の月』(三) P.205挿絵

感想(4)で語った麾下を中心にまとめていきます。


まずは、今回一番悲しい結末に終わった帰泉(きせん)

彼は他の阿選麾下が複雑な心境を抱きながら過ごす中、最も阿選への忠誠に揺らぎがない者だったと思います。

帰泉は驍宗が新王になったときから阿選の方が上だと思っていたし、謀反が明らかになった後も、泰麒が阿選新王を謳ったときも、変わらず阿選こそ王に相応しいと思い続けていました。

だから帰泉が阿選から放置されているのは、自分が不甲斐ないせいだと思い悩むことも。彼なら阿選からのどんな命令でも喜んで遂行するだろうし、最も阿選に心酔している麾下と言っても過言ではないでしょう。

しかし、久しぶりに阿選から呼ばれ、忘れられていなかった!と喜んだ帰泉は、変わり果てた姿で帰ってきたのでした…

帰泉傀儡化

思惑通りに動かない烏衡を見限った阿選は、帰泉を傀儡にして賓満をつけ、烏衡を抹殺。
函養山から脱出した驍宗を捕えるために、帰泉及び妖魔に追撃させます。

そして、帰泉は驍宗を捕えるために動きますが、阿選から「決して殺すな」と命じられていたため、驍宗に向けられた弩弓の箭(や)の前に飛び出し、喉首に命中…。

最期に、

殺さなかった。死なせなかった。だから喜んでくれるだろう!
という思いがあふれると同時に、
―誰が?―
と自問自答しながら散っていく帰泉…

傀儡になった後も、わずかばかり心が残っていることが分かる描写ですが、だからこそ辛い、、悲しいいいいいい( TДT)


この帰泉のエピソードで、阿選は完全に闇に身を落としたことが分かりました。

しかしねー、

阿選は烏衡が友尚を小馬鹿にした発言をすると、「友尚は腑抜けではないし、烏衡からこのような誹謗を受ける謂れもない」と怒りを感じる場面があります、、、

このときはまだ自分の麾下を疎かにするような素振りは見せなかったのに、驍宗が自分の監視化から離れ、追えなくなるという切羽詰まった場面までくると、「致し方ない…」と昏い眼を闇に向けてしまいます。
ここから阿選の無情が炸裂。

帰泉、恵棟と麾下を次々に傀儡化させていきます。

阿選は地面につけていた足をさらに地中深く、闇の中に埋もれ墜ちていく、、、


そして、この件を受けて、帰泉の上司である品堅は、驍宗死刑の時に「窮冦を守る」と号令をかけ、驍宗側に寝返るという結果を招きます。

部下思いの品堅は、帰泉を酷い形で阿選に取られたことが許せなかったのでしょう。

阿選の非道は、規律を重んじるはずの軍をじわりじわりと崩していきます。



午月(ごげつ)

もともとは阿選の小臣として侍る立場だったが、ほとんど側に近寄らせてもらえず放置されていた午月。そこから泰麒の小臣へと異動しますが、午月の心は変わらず曇り続けていました。

変わってしまった主を変わらずに慕い続けたいという思いと、国の混乱を招き、その後も放置している現状に、これでいいのだろうか、という思いの狭間で揺れています。

そんな中、午月が活躍するエピソードが今回2つほどありました。

・突然、泰麒の後庭に現れた阿選を六寝に送り届けるために護衛についた午月。

ここで久しぶりに主と近くで会話します。

帰泉と違って複雑な心境の午月ですが、阿選は昔と変わらぬ様子で気さくに午月に話しかけます。

なんだか、昔の阿選は本当に良い主だったんだな、と感じるエピソードでしたね。

午月は阿選軍において旅帥だったので、立場でいうと驍宗側の項梁の下ぐらい。

項梁が泰麒の命を受けて六寝に侵入し、正頼と接触したときは、「午月もこれぐらいのことはやってのける」と阿選が思っていますし、このように忠実で有能な麾下に恵まれている自分を思う反面、彼ら麾下が複雑な心境を抱いているであろうことに心を傷める描写もあります。

・泰麒謀殺を企てた暴漢の捕物劇

真っ先に不審に気づいた午月の判断力、行動力。そして緊張感のある場面場面から、午月がいかに優れた武官であるかが伺えます。

かっこいいっす!午月兄さん!!

このとき、仲がいいとは言わないまでも、耶利、巌趙とも見知っている様子だったし、泰麒のために体を張る小臣と大僕(耶利や巌趙)の間にはある程度の信頼は築けているのだな、と感じました。

物語が進み、泰麒の周りからは味方がどんどん削られ、ついには驍宗の死刑の場面まで午月たちは一切出てこないのですが、唐突に駹淑(ぼうしゅく)が出てきます。

目の前で起こる事態に頭が追いつかず、思わず頼りにしていた午月、伏勝の姿を探す駹淑ですが、彼らはとうの昔に泰麒の小臣から外されていたことが明かされます。

その後、風聞という形で正頼が巌趙によって助け出されたことが分かります。そのとき「巌趙に協力した阿選軍の兵士、彼らは泰麒の小臣を務めていた」という一文がみられ、おそらくこれが、午月、そして伏勝であると思われます。


巌趙とともに午月、伏勝も無事であってほしい…

というのが願いですね(;_;)

でも午月は、複雑な思いを抱きつつも、阿選を見限るなんてことができるのかな、と思わなくもありません。

なんやかんや、阿選と命運を共にしそうな予感…_| ̄|○ il||li

生きてくれーー(´Д⊂ヽ


というわけで、恵棟、帰泉、午月をピックアップしつつ、友尚、品堅、伏勝の名前も含めて阿選麾下を語ってきましたが、いかがだったでしょうか、、

彼らの話は続くはずです…!
すっごく気になる!(TдT)

必ず続くと期待して全裸待機したいと思います…!

では次回、いよいよ名シーン・驍宗の復活を語りたいと想います!


Bocchi talk

アニメ・漫画について一人でしゃべり倒します。現在、『十二国記』『忍たま』『鬼滅の刃』にハマり中。

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