『 白銀の墟 玄の月』感想(12)琅燦の思惑

はいはいはいはい、

他のファンの皆様もお思いのこととは存じますが、やっぱり今回の4冊、謎は全部解決してないですよね、うん。

驍宗の行方は分かった。
阿選の心も分かった。

でも琅燦は…


琅燦は…


目的は何なんだ…?!(;一_一)


ちょっともうネタバレ注意と書く前に本音がポロリしちゃってるけどもしここに来ている方がいたらネタバレOKで来ていると思ってダダ流ししてますよホントすみません!

ということでさっそく本題に入りますよネタバレ注意!


イラスト 『 白銀の墟 玄の月』(三) P.43挿絵



琅燦は、今回の阿選謀反で確実に黒だと思います。

実際、阿選の心情描写の中でも琅燦に対する疑問符はついているものの、「唆した」とはっきり名言されています。

彼女は、阿選の暗く沈んだ心に気づき、謀反を起こすよう唆した、としか思えない…。


そんな琅燦語録が以下です。

「―同姓の王が続くことはないんだ、知らないの?」

今は驍宗の影に成り下がってしまったけれど、驍宗の御代が終わりさえすれば、次の王になれる可能性はある、、と思った阿選にかけられた琅燦の言葉です。

阿選は未来永劫、驍宗を追い越す立場にはなり得ない。この立ち位置は変わることはない、と突きつけられる一言でした。


ちなみに、この「同姓の王が続かない」という天のルールは他の巻で説明されていたことだったようですが、当方すっかり忘れており、他の読者さんの感想を読んで知りました(笑)
なので解説は省きますが、要するに「阿選が新王」という話が絶対にあり得ない理由だったわけですね。


「麒麟は天の意向を受けて王を選ぶ―ここまでは確かだ。けれど、天は麒麟の耳許(みみもと)で新王の名を囁くわけじゃない〜(中略)〜

漠然とした印象しか麒麟に伝わることはないんだ。選ばれるべき王は、こういう感じの人物だ、という。あんたと驍宗は似ていた。たぶん麒麟が見て取る気配も似ているだろう。その二人が同時に前に現れたら、泰麒はどちらを選ぶんだろうね?」


もし昇山していれば王に選ばれたかもしれない。なのに、しなかった。だから王になれなかった。そんな風に、絶望の淵にいる者をさらに追いやり、言いようのない後悔をさせる琅燦。

極めつけはこれ。

うっすら笑んだまま、阿選を見ていた。そして、その視線が、阿選に最後の何かを乗り越える後押しをしたのだった。


後押ししとるやないかああああ!!!!


て感じですよもう(T_T)

しかもそれだけじゃないです。

琅燦は熱心に助言したし、阿選のために妖魔を用立てることもした。


宮中を蔓延る妖魔、人の魂魄を抜く次蟾(じせん)や、驍宗を函養山に閉じ込めるために使われた狸力(りりき)という妖魔も、琅燦の手配させたものです。


そもそも、琅燦は黄朱であることも分かりました。
実は項梁よりも前に驍宗の陣営におり、古参の麾下。耶利曰く、「最初に黄朱から驍宗に預けられた人物」ということだそうです。

耶利も含め、驍宗陣営には黄朱が多数いる、という発言だと思いますが、その筆頭が琅燦、という感じになるのかなぁ。


しかし、不思議なのは、琅燦が阿選に対して嘲りを隠さない、というところです。

ここまで謀反の手助けをしておいて、阿選は驍宗に劣る―と卑下し続けています。

これには阿選も困惑しているようで、「なぜ驍宗を討つよう仕向けたのか」と何度も疑問に思っているし問いかけているようですが、

阿選の問いに答えたことはなく、その言葉と行動は一致せず、真実味がない


ということで、、、

はあ?(;´Д`)意味わかんねーマジで

となったのは私だけではないはずです(苦笑)


それでも阿選との問答で琅燦の口から出てきた言葉は、やはり1,2巻で予想していた通りのこと、、

「驍宗様は尊敬しているが、興味には勝てない。私はこの世界と王の関係に興味があるんだ。何が起こればどうなるのか、それを知りたい。」

「世の摂理として興味がある」

王や麒麟に対する敬意よりも、下々の民の命よりも、摂理を読み解く興味が優先される、と?

マッドサイエンティストの思考回路に似てるな、この感じwww

さて、まだまだ続きます。。

お次は耶利、そして黄朱についてまとめましょう!


1,2巻で期待した通り、耶利は3,4巻で大活躍でしたね!!

さもあらん!!

泰麒の最側近として、おっちゃんの項梁より洞察力、決断力、行動力もあるやないかwwwよいぞ!

しかし、あるとき泰麒たちは耶利の発言に困惑、というか驚いて言葉を失う迷シーンがありました。

それは、

耶利が泰麒の奸計(ウソ)をいとも容易く見破っている点


であります。
泰麒の奸計とはつまり、「阿選が新王はウソ」のこと。
そもそも、麒麟が嘘をつく、というのはこの世界の常識ではあり得ないこと。麒麟が選んだ王が、嘘か真実かを見極める手段も存在せず、だからこそ、泰麒の身の安全も保証されると思っていたのに、耶利が容易く見破っていることに、泰麒、項梁も唖然としてしまうわけです。

その理由が、

耶利は黄朱だから。

黄朱は恩義には厚いが、王や麒麟や国は、さほど重いものじゃない。

つまり、そういった常識や観念にとらわれることなく、泰麒の発言を読み解くことができた、ということでした。

そこで、琅燦も黄朱であることが分かり、同じように驍宗への忠義に厚い反面、王や麒麟、国を尊ばない琅燦の言動が少し理解もできるようになるのですが…


だからって納得は行かないぞ…(;´Д`)


でも、琅燦は耶利の主、または石林観や李斎に情報を流す玄管(げんかん)という者ではないか、という説もあるので、
今度はそこらへんの情報もまとめてみましたよ、、


・耶利の主は、「阿選新王はあり得ない」と言っていた

→つまり、泰麒の言を信じていない。主も黄朱であるのは間違いないだろう。

・耶利は泰麒の元にやってくる前に青鳥を飛ばすシーンがある。

→これはおそらく耶利の主の青鳥と思われるので、耶利の主=玄管は確定で良いのではないかと思われます。

・人質をとられ、自らの意志で蟄居していた巌趙が、ある人物に強く勧められて泰麒の元にやってきた

→このある人物というのは、おそらく耶利の主であると思われる。実は耶利を通して耶利の主の考えを巌趙が聞き出すシーンもあった。


ここまででも、耶利の主は黄朱であり、驍宗側の人間であり、玄管である可能性が非常に高いことが伺えます。


他には、玄管が阿選の側を比較的自由に行き来している描写も何度か見受けられた。

・玄管と呼ばれる者は、静かにその場を離れた

・玄管は殿内の隅、暗がりに身を置いて、正面の扉が一斉に開かれるのを見ていた。巌趙もまた暗がりに身を置いていた。玉台の下、背後の暗がりに控えた琅燦のそばに佇んでいる

→とりあえず、玄管も琅燦も同じぐらいの場所で暗がりに身を置いています、、


玄管がもたらす情報は、本当に阿選の近くにいないと知り得ない情報ばかり。琅燦は比較的阿選の側で自由に行動できる上、阿選の周囲に間諜を置いているようなので、そうやって得た情報で何をしているのか。それは流していると考えても不思議ではなく、玄管=琅燦という線はありです。

また、玄管は「新州侯に接触せよ」と助言しており、阿選の麾下であった恵棟が泰麒側に完全についていることも知っている模様。これは耶利の主が玄管だった場合、耶利から状況を詳しく聞いているとすると辻褄が合います。でも、恵棟が泰麒寄りなのは誰が見ても間違いない事実だったのかもしれないですがね。。


そもそも、泰麒が阿選を新王と言ったとき、誓約させる、額ずかせる、などの手段もあったのにあえて泰麒を斬らせた琅燦。
このせいで、面会することこそ叶わなかったが、泰麒は琅燦を敵ではない、と判断していました。

ちなみに、泰麒に「敵ではないですよね?」と問われた耶利は困惑したように泰麒を見るだけで、肯定も否定もしていません…

驍宗の騎獣である計都を連れてきたのも琅燦のようで…


うーーーーーむ(ーー;)

イマイチ理解に苦しむが、琅燦が阿選を唆したのも事実なら、泰麒を助け、驍宗に手助けしたのも間違いなさそうです。


最後に、

今までの常識とされていた麒麟のあらゆることを覆していく泰麒を見て、耶利は面白いと言い、「主を替えてもいい」とさえ思っています。さらに、

「目指す場所が同じならそれで問題はあるまい」

とも…。


目指す場所ってどこ?(゚A゚;)


さらーっと読み流しそうになった一文だったけど、彼女の言う「目指す場所」がめっちゃ気になります(・_・;)

それは黄朱たちが思い描く場所なのでしょうか?

国の理から外れ、黄海で妖魔の危険と隣合わせの生活をする黄朱。だからこそ、摂理にがんじからめになっている王や民とは違う見方で世界を見ているというのは頷けます。

陽子や李斎も、天と実際に交え、驚くほど冷え冷えとした女神と、天という存在の理不尽さと胡散臭さに大いに疑問を抱いています。

琅燦の思惑、次の話で語られることは、、
あるのだろうか…(;_;)


待ってまーーーすm(__)m


Bocchi talk

アニメ・漫画について一人でしゃべり倒します。現在、『十二国記』『忍たま』『鬼滅の刃』にハマり中。

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