『 白銀の墟 玄の月』感想(6)鳩と傀儡と病む現象
久々にアニメ十二国記を観ています。
な、懐かしい…( ;∀;)
途中で観なくなってしまい、うろ覚えだったんですが、なんやかんや、けっこう観てたやん…というぐらい覚えてましたwww
OPEDの曲も、確か当時MDに入れて聞いてた気がする…!
幼い泰麒もアニメで観てた記憶もあるし、僕は何故観るのを辞めたんだ…?と思うぐらい面白い(笑)
しかし、オリキャラの杉本がバンバン出てくるのは、確かに「こいつ誰?」てなるのは分からんでもないかなぁ。
いやでも面白い。
映像もすごくいいし。
そして最近、
久々に十二国記を人に勧めることに成功しました…!( ・´ー・`)どや
やはり小野不由美先生の名が大きいですね。『屍鬼』や『残穢』などベストセラー作品や話題作もあるので勧めやすい…( ;∀;)
さっそく『月の影 影の海』の1巻を読んでくれているということです。(その巻だけだとめっちゃしんどい内容だが踏ん張ってほしいw)
イラスト 『 白銀の墟 玄の月』(一) P.295挿絵
さて、
ということで引き続き本作『 白銀の墟玄の月』について考えていきたいと思います。
鳩、傀儡。
宮中で密かに蠢いている奇怪な現象は読者の方には既にご承知のことと思います。
今回はその謎について迫りたいと思いますが、その前に。
戴のあちこちで「病む」という現象
こちらの方から順を追って読み解いていきましょう。
「垂州(すいしゅう)は病んだと聞いたが」
「と、私も聞いています。同様に、文州、江州の州侯も病んでおられる。…」
1巻、旅の序盤で項梁たちが今後のことを話しているときに出てきた事実です。
病んだ州侯たちに協力を期待することはできないのだと言い、項梁たちは肩を落とします。
その「病む」ということが具体的にどういった現象なのかは語られていないのですが、国のあちこちを旅して回った項梁たちには周知のことのようで、
「―この国には妙な病があるのだ」
とも言っています。
さらに、「州侯の中に台輔に協力するお方が出たとしても、その州侯が病むことも…」
まるで伝染病みたいに伝染るような言い方ですよね。
そうこうしている間に泰麒は単独行動を始め、ついには白圭宮に乗り込んでいくのですが、ここでもまた、不可解な現象に王宮全体が侵されています。
「魂魄を抜かれた」「傀儡」のような官吏たち
酩酊したように、あらぬ場所に焦点を結んだような濁った眼。内心を映さないというよりも、映すべき内心がないという印象。表情もなく動作は機械的、声にも抑揚はなく、自身の意志で言葉を発している感触がない。
そんな様子の官吏が、いつの頃からかそここで見掛けるようになったという話です。
およそ人間という感じがせず、操り人形のような者がふらふらと歩いているなんて、そんな…
きもっ(; ・`д・´)
という、アホみたいな感想しか出てきません(^_^;)
↑どっちかというと「怖い」という感想の方が正しいかな…
いやでも普通におかしいって!(・。・;
なんでそんな状態の者がウロウロしてるのに普通に仕事してんだよ!と思いますが、宮中は王と麒麟がいなくなってからもう長いこと混乱状態の中で職務を続けていたんだな、ということも改めて思いました、、
平仲曰く、
彼らは最初は普通だったのに、口数が減ってきて元気がなくなり、気もそぞろ、心ここにあらず、というように反応が鈍っていき、そのうち話しかけても反応がなくなり、無表情にふらふら歩いているだけになる。
そうなると姿を消し、部署からも籍が消えるが、そうやって消えた者は六寝付きの天官になっている。
その一方で、劇的に様変わりする者もいるらしい。
そういう者は阿選の朝に不満のある者が多く、昨日は批判していたのに、翌日には抜け殻のようになっていて、そういう者は消えずにその場に留まり続けている(六寝付にはならない)
このような状態の王宮をみて、項梁は「まるで幽鬼の宮だ」と思います。
秩序はあるが、およそ生気が感じられない。
また、項梁はこんなことも考えています。
「まじない…」
冬官の技術の中には呪術も含まれる。琅燦が協力しているのか。
冬官は呪術も行うんですね。琅燦が自由に宮中を動いて発言できるのも謎、、この現象に何か関わりがあるかもしれません。
そして、
平仲はそういった者たちの様子を「病んだように」と表現し、項梁は思わずどきりとしました。
つまり、王宮の外で州侯たちが「病んでいる」ことと関連があるのではないかということです。
私も、間違いなく州侯の病と関連はあると思います。
ただ、王宮とは距離がありますから、仮に琅燦や阿選がまじないや妖術を使っていたとしても単独ではなさそうですよね。
阿選に謀反のつもりがあったのだとしたら、今まで信頼関係を築き上げてきた麾下にはまったく悟られず、別の集団(赭甲やそれ以外も考えられる)と画策していたことになります。しかし、それまでの側近たちにも悟られずにそんなことできるのか…?
疑問だらけですよ。
また、宮中に巣食ったと思しき「姿を見せない鳩」の存在が、どうやら傀儡と関係あるのではないかと見られています。
劇中に何度か鳩が突然夜中に鳴いて眠れない、と言っている者たちがおり、その中で既に平仲の様子がどうもおかしい…いつの間にか昇進という形で姿を消しています。
項梁も酷い脱力感に襲われることがあるようで、さらには医官である徳裕も心ここにあらずという様子らしい。
泰麒の周辺は、置かれた状況も進展がなく、さらには少数であたる仕事の重責も相まって疲弊しまくっています…
ヤバイよヤバイよ…(;_;)
ついでに、11月発売の3巻のアオリに
妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、…
とあるので、
犯人は妖魔…!(;・∀・)
なのは間違いないです(^_^;)
(ネタバレじゃねーかw)
問題は、阿選が企んで妖魔を操っているのか、それとも他に何か理由があるのか。
そこのところですね。
正直、今のところまったくの謎に包まれていますが、
私は阿選謀反、という事実がいまいち受け入れがたいというか、表面はそう見せかけて裏があるような気がしてなりません。
阿選自身は2巻で一度姿を現していますが傀儡のような虚無といった様子ではありません。だから、傀儡を六寝に集めている(集まっている)ことも承知のことと思います。
阿選もしくは琅燦が関係(もしくは承知)して「魂魄が抜かれた」状態にしているのは間違いなさそうです。
しかし、不要な者なら処刑ないし追い出すなりしてますから、そうせず生かし続けて身の回りに置く不思議もあります。
こうすることによって、ここまで混乱状態の王宮は争い事も起こらず無用な血も流れていない、、と解釈すると、
阿選は何もさせないように仕向けることが目的
なのでしょうか。そして、願わくばそれが「出来る限りの人を守るため」だと思いたい…(;_;)
阿選はそもそも起きていた危機を回避するために、驍宗を死なせないためにこのような暴挙に及んだと思いたい。・゚・(ノД`)・゚・。
それだったら琅燦も手伝うじゃん??
驍宗自身も、もしかしたら事前に察知して阿選と共に行動(もしくは承知)してたらいいなぁ、、
失踪前、明らかに不審な赭甲に囲まれていたにも関わらず麾下に何も告げずに単独で動くことも不思議でしたし。
自ら行軍を離れてしまった驍宗が、何も知らなかったと思いたくない。。
敵だと思ってた阿選が味方だったら、180度反転して面白い展開になると思うんだよなぁ、、(´Д`)ハァ…
小野先生、、どうか戴に明るい未来を。。
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