【十二国記】幽冥の岸感想

あけましておめでとうございます!

あっという間に2021年ですね。この前2020年になったばかりだと思っていましたが、もう1年も経ってしまったとは、本当に時の流れは早いものです(しみじみ)

とはいえ、去年はコロナで大変な1年となりましたね。
世界的にも恐ろしいほどの死者を出し、未だその終息も目処がつかず。日本での死者数は各国の比ではないのは事実ですが、経済の落ち込みからくる人命の危機は、おそらくこれからが本番だと思うと恐怖です。


しかし、そんな暗い現実をハッピーにしてくれるのは好きな音楽だったり、芸能人だったり、映画やアニメだったり、

そして小説だったりするんですねぇ(;A;)



「十二国記」書き下ろし短編

幽冥の岸


待ってましたああああああああああああ!。・゚・(*ノД`*)・゚・。



2019年に『白銀の壚 玄の月 』が発売されたとき、新作刊行記念プレゼントとして「書き下ろし短編が先に読める!」という企画があったのですが、こちらに応募した読者の方には、2020年12月12日、つまり先月に新潮社からメールが届きました!

無論、わたくしもこちらに応募していたので無事にメールが届いており、一足先に短編が読めました( ;⌄; )うわはぁぁい♥
でも年末クソ忙しかったので読めたのは正月休みに入ってからでしたけれども( ´⚰︎` )

鈍足ですがようやく感想をまとめていきたいと思います!

毎度ながら、ネタバレを大いに含みますので、未読の方はご注意ください!

今回の短編は、今年刊行予定の十二国記「短編集」に収録予定のようなので、応募してなかった方ももちろん読めます!楽しみにいている方もこの先は読まない方が賢明です💦

というわけで、もろもろご承諾の上お進み下さい。

上写真 『 白銀の墟 玄の月』帯から抜粋








さてさてさて、



今回の話、


一言で言うと、



「驍宗救出後の泰麒」について描かれた話


でしたー。


具体的に言いますと、『白銀の壚 玄の月 』(四)の二十五章で、李斎が泰麒を蓬山へ連れていった、という旨が少し書かれているのですが、そのときの詳細エピソード、という感じになります。


二十五章では、

・泰麒の具合がかなり悪く、せっかく見舞いに来てくれた延麒も怨詛が凄すぎて近づくことも出来ないほどであったこと。

・李斎は蓬山に赴いて、またもや伝説の女神、西王母に会ったこと。そのときに天と言う存在の理不尽さと胡散臭さを再確認したこと。

・泰麒は角も元に戻っているし、引きなされていた使令も戻ってきたこと。しかし将来に亘って御不調が残りそうなこと。

ここら辺が今回の短編でより詳しく語られています。



四巻の最後、泰麒は絶不調でしたもんね、、

それは驍宗を救出するという大きな騒乱があり、流血沙汰もあったからだと思っていたのですが、

実は、

泰麒自らが剣をとり、殺傷したことによる穢瘁(えすい)


であったということが蓬山の女神に会うことで分かった事実でした。

正直、そこまでダメな事だったとは…と思ってしまう読者Aです、、

個人的な意見ですが、麒麟には出来ないとされていた諸々のことを胆力だけで可能にしていく泰麒の凄さには驚きこそあれ、他の麒麟にはない素晴らしいこと、だと思っていただけに、蓬山の女仙たちがまるで汚らしいものを見るように泰麒から距離をとることにショックを受けました…

ちなみに、物語はほぼ李斎視点で紡がれているので、李斎が蓬山に対して思う複雑な感情がそのまま読者に流れ込んできます。


さて、ここで今回1番取り上げたいのはこの蓬山の女仙、そして神々についてだったりするのですが、非常にヘビーな話題なので後回しに致しまして…笑

まず今回ようやく登場した慶国の王とその麒麟について触れましょう!


景王・陽子、景麒の登場!


待ってましたああああ!
『 白銀の墟 …』には名前しか登場しなかった彼らがここに来てようやく…(;A;)

『 黄昏の岸 暁の天』では陽子たちの王宮では謀反も起こるなど、決してまだ安定していない様子が見て取れましたが、今回李斎が慶国に赴くと、前よりももっと和やかで開かれた雰囲気になっている、という描写がありました。
陽子、頑張ってるみたいですね。

慶に向かった李斎と入れ違いで蓬山へ向かった景麒。

景麒は延麒(相変わらずフットワーク軽すぎる延麒さんまた居ますw)に呼び寄せられて泰麒と面会します。

この方、、ホント、毎回思うけど良いキャラだよ…w

弱りきっている上に性格上も思い悩む優しい泰麒を周りが心配する中、景麒はきっぱりと、

「貴方は許されないことをしたのだし、仕方なかったと片付けることは許されません。」

景麒、、( ̄▽ ̄;)
まだ顔色の悪い泰麒に面と向かって叱りつける御仁は、おそらくこの人だけでしょうね。景麒の性質上、極めて平静に、なんの愛想もなくスパンと切っちゃうこの感じwwww

しかし、己のしたことを悔やみ、思い悩み続ける泰麒には、優しく慰められるよりは叱り付けられる方が逆に気持ちが軽くなるようで、自責の念から眠ることが出来なかった泰麒の顔色は少しずつよくなっていくのでありました。

ところで景麒が泰麒を寝かしつけていた時、景王に対しても「よく寝かしつけていた」という言があるのですが、

あのー、、そこんとこもっとkwsk…_|\○_オネガイシヤァァァァァス!!

泰麒に付く耶利(やり)


この子は『 白銀の墟 …』でも何者なのかいまいち分からなかった部分があり、また彼女(たち)の真の思惑も(あるのであれば)まだ分かっていないところがあるのですが、今回、泰麒を蓬山に連れていく李斎とともに同行して、

耶利は剛氏の出身で、黄海で育った人物


であることがわかりました。
どうも、浮民となって貧困に喘ぐものの中には子供を売る者がいるらしく、そうして売られた子供であるようですね。しかも耶利は仙籍には入っていなかったようなので、本当に最近戴に預けられた人物です。ふむふむ。

また、『 白銀の墟 …』でも耶利は泰麒を尊ぶべき存在というよりは、どこか観察するような視線をよく送っていましたが、今回も三人の麒麟を興味深そうに横で見ている様子が描かれていました。


『 白銀の墟 …』での琅燦もそうですが、天の理から外れた存在である朱旌(しゅせい)であった耶利。

『 白銀の墟 玄の月』感想(12)琅燦の思惑でも少し語ったのですが、「目指す場所」というのがどこなのか、それはいまだ解けないままです。


全てを知っている様子の玉葉


さあ、語っていきましょうか、天について!


碧霞玄君(へきかげんくん)こと玉葉という謎に包まれた女性。その存在は下々では伝説の人物として語られているようですが、蓬山の女仙の長として実在する人物です。

蓬山の女仙たちには怨詛(えんそ)が目に見える(?)らしく、あまりにひどい怨詛を纏った泰麒を汚らしいもののように遠ざかるのですが、玉葉はそんな中、慈愛に溢れた表情を崩すことなく、「…良う耐えた」と泰麒を撫でます。
大きく深い母のような女性ですね。

そして、蓬山にいながら各国のあらゆる出来事を見聞きしているのでないかと思われるほどなんでも知っている人物。

李斎は過去にも泰麒を救うために玉葉に会っているが、なぜ李斎が蓬山にやってきたのか、説明せずとも全て心得ているようでした。
明らかにただの女仙とは格が違います。

そして、彼女の案内で謁見できるのが、西王母。

西王母だけでなく、天帝も同じ廟に祀られているようなのですが、今まで李斎が会ったことがあるのは王母だけです。

実在する西王母。まるで彫像のように生気のない人物


前回、泰麒を救ってもらうために会ったときと同様、全く温もりのないこの人物は、麒麟であるにも関わらず殺傷してしまった泰麒を「…さても穢らわしい」と一蹴…

(#・ω・)むかぁ←読者

最初は「治癒ならぬ」と突っぱねる西王母ですが、玉葉がそれを留めます。

麒麟は殺傷できぬ存在だと思われていたが、可能であったということは、天がそのように麒麟をお造りになったということ。

また、失道でもないこと。

上記を理由に泰麒を治癒して欲しい、という玉葉の言に渋々(?)承諾する西王母…

ただし、殺傷の罪は重いらしく、宿痾(しゅくあ)となって終生に渡って泰麒を苦しめるであろう、と言い残します。

この宿痾(しゅくあ)は玉葉も知らないことらしいのですが、どう苦しむことになるのか気になりますね、、

玉葉はこの世界で起こるあらゆることを知っているように感じますが、「なんでも」知っているわけではないようです。

あくまで個人的な感想ですが、玉葉は人間で、西王母は「ルールブック」的な印象があります(苦笑)
人じゃなさそうじゃね?みたいな。西王母を呼び出しているのは「ルールブック開いてみましょうねー」みたいな感覚ですwwww

そうなってくると、天帝という存在が一切出てこないのも気になりますね、、

で。


もうずっと長いこと気になっているのですが(笑)単刀直入に言います。


この世界を形作っているとされる「天」という存在の胡散臭さや矛盾。これ、作中で解決すると思う????


特にこの問題に疑問を感じているのは李斎だと思うのですが(二度にわたり直面して複雑な感情を寄せている)、

王である陽子。陽子も天という存在に物凄く疑問に感じている人物の1人ですね。

しかも陽子は蓬莱、つまり現代の女子高生であったことから、尚隆や六太よりもずっとこの世界に対しての疑問が大きいはず。

今はまだ慶国が安定していないけれど、時間の経過とともに安定した暁には、この世界の問題として果敢に取り組むことになるのでは、と思ってしまいます。

話が壮大すぎて、この大きな問題は作中のど真ん中にコロンと取り出されても「いやいやいや解決無理やん💦」と読者ですら思うのですが、ここで再度向き合う流れになって改めて思いました。

小野先生、この世界ぶっ壊す気かなwwww。゚(゚´▽`゚)゚。


元気になった泰麒、雁国のお二人、つまりこの世界の理から外れたところで生きていた経験のある胎果が、この世界の矛盾から生じる人々の苦しみや悲しみを無くすべく天に逆らう物語が、もしかして今後描かれる予定があるのだろうか、、先生はそのつもりで物語を書いているのかな、、と今回割と本気めに思いました( ´⚰︎` )


十二国記ファンの皆さんがどう思っているのかとても気になります。

周りに同志がいないので、もうSNSで聞いて回るか…?(;^ω^)いやでも僕マジで重度のコミュ障だし、十二国記垢をツイッターで作ろうかとも思ったけれども、運用できる気がまったくしない…


というわけで色々悩んだ結果、このブログのコメント欄を開こうという結論に至りました。

今までコメント受付できないようにしてたんですけど、もしこんなアホにコメントしてやってもいいぜという寛大な方がいらっしゃったら、ぜひコメントください。一緒に十二国記語らせてください、、、

ないと信じますけど悪辣なコメントなどが多い場合は閉める場合もあります。コミュ障なのでどうぞお手柔らかにお願いいたします。(すみませんこんなこと書く腑抜けで…)


ということで、今回の「先に読める!」十二国記短編『幽冥の岸』の感想を終えます。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!

次は今年刊行予定とされる「短編集」ですね!全裸で待機したいと思います!('◇')ゞ







Bocchi talk

アニメ・漫画について一人でしゃべり倒します。現在、『十二国記』『忍たま』『鬼滅の刃』にハマり中。

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