【鬼滅の刃小説】もし童磨が鬼殺隊に入っていたら

どーも。

最近、人に会う度にと鬼滅の話をしている十三です。

ていうか、ここまで流行ってしまうと話題にしやすくていいですね!(笑)

普段アニメなんか観てない人でも名前くらい知ってるので、コミュ障にとっては会話のキッカケになってとてもスムーズに人の輪の中に入れますwww(ほんとかよ…)


鬼滅を知らない人には「面白いですよー」と言えるし、興味がある人なら、映画のこととか、何が面白いのかとかグイグイ聞いてくれるし、同じ沼の住人と分かれば意気投合できるし(笑)!


まあでもあれですね、心配なのは「キメハラ」ですか…

キメツハラスメント


まだ観てない人に執拗に勧めるハラスメント。


なんやねんそれ(^o^;

まー、観るのも観ないのも自由だし、そこまでゴリ押しするつもりもないんだが…


「逆キメハラ」なる言葉もあるらしく、


とりあえず、

なんやねんそれ(ーー;)


何でもかんでもハラスメントにすなー(苦笑)
それにな、アニメを勧められたくらいでハラスメントだと感じるような人もそうおらんと思うんだわ。皆もっと大人だし、観るか否かぐらい自分で決められるわwww



という愚痴かよ、、となってしまうのもいけないので、一つ良かったことを報告しておきますとね、


友人増えましたー\(^o^)/www


おかげさまで気の合う友達見つけやすくなってます(笑)ありがとうございますーーー(*^^*)


さて、そんなこんなで相変わらず童磨の妄想に勤しんでおり、今回は短い話を書いたのでアップしにきました。

本来は漫画として書きたかったけれども、例によって文字起こしした方が進めやすいという理由で書いた文章です。

・童磨が鬼にならず、鬼殺隊に入っていたらというif設定。
・童磨というキャラを知っているコミックス19巻以上読んでいる方推奨。
・モブキャラ多数出現
・霞柱の時透無一郎の刀を担当していた鉄井戸さんが登場します。話はもちろん捏造です。
・だいぶ独創的な話なので、なんでも許せる方のみお読みください。







「また手酷く傷めつけられたな」

鉄井戸がそう言うと、男は屈託なく笑いながらこう返事を返した。

「やあ、すまないねぇ。ついこの前新しく打ち直してもらったものなのに」

そして、謝罪の言葉とは裏腹の明るい笑顔で、目の前のボロボロになった対の鉄扇に視線を移す。
鉄井戸が丹精込めて創り上げた鬼殺の武器だ。先月手渡したばかりの対の扇なのだが、ものの見事に傷だらけで、もはや武器とは呼べぬ代物に成り果てていた。完成したときはこれ以上ないほど鍛え上げ、最高の出来だと自負していただけに、無残な姿で帰ってきたときの落胆は如何ともし難いものがある。
だが、それでも鉄井戸はにやりと笑って、懐から愛用の煙管(キセル)を取り出し、ふかし始めた。

「俺が言ってんのはお前さんの身体のことだよ。久々だねぇ、そんな風に大怪我こさえて帰ってくるなんざ。なあ、童磨よ」

鉄井戸はその名を呼んだ。

かれこれ五年の間、担当の刀鍛冶として童磨と付き合ってきたが、これほどの大怪我は珍しい。その理由は、隠(カクシ)の者から予め聞かされていた。

「今回は下弦の鬼だったんだって? 一般の人々や隊士庇ってその傷こさえて、お前さんもちったぁ自分を大事にしなよ」

だが、童磨はケラケラとこう言った。
「大丈夫さ!俺は痛みをあまり感じない。知っているだろう?」

もちろん知っている。だからこそ、鉄井戸は深いため息とともに煙を吐いた。

「下弦でこんな調子じゃあ、上弦と当たった日にゃあ、ボロボロになるだけじゃ済まないだろうな…やれやれ、もっと強い扇を作らにゃならんか…」

そう言って、かつての自信作を手に取った。作った鉄井戸さえ持ち上げるのが難しいほど重たい鉄扇。こんなものが、欠け、折れるほどの凄まじい戦いを想像し、思わず苦虫を噛み潰したような顔をする。だが、それでも鉄扇としての形が残っていることに、実はほっと胸を撫で下ろしてもいた。

(…かろうじて、人の命を繋ぐ役割だけは果たせたってことかな…)


鉄井戸が身を置く刀鍛冶の里には老若さまざまな刀鍛冶が住んでいる。
そのすべてが鬼殺隊士の刀を作るが、鬼と戦う彼らの刀は通常のものと異なり、一風も二風も変わった武器を扱う者も少なくなかった。その理由は様々あるが、彼らが元来の武士でもなければ、自身の出世や名声のためでもなく、人をはるかに超えた異形の鬼を倒すことが目的だからだろう。
この童磨も随分変わった経歴を持ち、その武器も一層変わっていた。それが、対の鉄扇である。
こういった変わり種の武器を好んで使う隊士は生き残るか否か、両極端に分かれることを鉄井戸は知っていた。鉄扇は本来武器として持つには殺傷能力も劣るし、間合いも狭い。攻めるにも守るにも難しい代物だが、童磨はこれを使って十三で柱まで登り詰めた。以降七年間、その地位を不動のままに、鬼殺の最前線で戦い続けている。

過去に幾度となく、「もう少しまともな武器を持たないか」と言われたようだが、童磨は頑なにこのスタイルにこだわった。
本来は刀を作るのが仕事の刀鍛冶にとって、鬼殺の武器として耐え得る鉄扇を作るのは非常に難儀しただろう。案の定、よく破損した。一生懸命作ったものを度々壊されるのは癪に触るのもよく分かる。おまけに童磨の特性上、常にへらへらと笑っていることも刀鍛冶の感情を逆撫ですることになり、結果、鉄井戸にお鉢が回ってきて今に至る。

だが、と鉄井戸は思っていた。

若く経験の浅い刀鍛冶こそ、己のすべてを打ち込んだ刀に思い入れ甚だしく、ポッキリと折られて帰ってきた日には激怒する者もあったが、彼らが怒りを向けた矛先には、刀の破損とは比べものにならぬほどの傷を負い、あるいは人の形さえ保たぬ亡骸がただ無言でそこに横たわっていることも珍しくない。
そうなって初めて、己の仕事の重さに気づき、顔色を失う刀鍛冶を何人も見てきた。

俺たちが作っているのは、ただの武器ではない。

鬼を砕き、罪なき人々を守り、そして持ち主をも守り抜くだけの強さがある武器でなければ意味がない。
綺麗にぽっきりと折られてしまった刀など、なんの役割も果たさなかったナマクラでしかないのだ。


「失礼します、氷柱様…」

鉄井戸が振り返ると、隊服を着た若者と十にも満たない子供が病室の入り口でこちらを伺っていた。

「やあ、怪我はどうだい?」

童磨は相変わらずの笑顔でにこにこと問いかけると、「俺たちは軽傷です。この子は手当も済んだのでこれから家に送り届けようと思うのですが」と隊士が言う。

「お兄ちゃんにお礼が言いたくて来たんだ!ありがとう!お怪我、大丈夫?」

子供が元気よく駆け寄ってきて童磨の包帯をまじまじと見る。如何にも痛々しい姿に心配そうな面持ちだ。

「大丈夫だよ、痛くもないし。それより君、無事で良かったね。早く帰ってご両親を安心させてあげなよ。」

童磨がそう言うと、子供もにっこりと笑って病室を後にした。鉄井戸はそんな様子を黙って眺めていたが、彼らを見送った後、童磨はぼそりとこんなことを言った。

「…ねえ、鉄井戸さん。俺は、少しは人間らしく見えるようになったかな」

鉄井戸はその言葉に、ひと呼吸おいてからゆっくりと返事を返した。

「…もちろん見えるとも。紛うことなき『人』だろう。間違っても鬼には見えないな。」

すると、童磨はにこにこと笑みを浮かべて「そうかい?」と言った。鉄井戸はその笑顔を見ていると、無性に悲しくなることをあえて言わなかった。童磨の笑顔はいつも空っぽだからだ。どんなに人のために血を流しても、人々に感謝されても、童磨の心には何も映っていない。そして、それは童磨自身も自覚している。


「俺は、なんにも感じないんだよ」

以前、童磨はそう打ち明けたことがあった。

「痛みも感じないけれど、嬉しいとか悲しいとか、人の感情が理解できない。もちろん、頭ではそれがどういうことか理解できるけれど、俺にとってはすべて向こう岸のまやかしみたいなもので、うすぼんやりと『そういうことがあるんだなあ』という事実にしか見えないんだ」

これが、童磨のやることなす事すべて空っぽに見える所以なのだ、と鉄井戸は理解する。

「両親が死んだときも何も感じなかった。皆は家族が亡くなったら泣いたり悲しんだりするし、落ち込むだろう。逆にうれしいことや楽しいことがあれば笑うし、愉しんでいるのが伝わってくる。それらは良いことも悪いことも含めて、俺には眩しいほど力に溢れていて美しいなと思うんだ。感情はエネルギーだ。あればあるほど、きっと物事を大きく変えていくことができる。そんな可能性を秘めた素晴らしいもの。でも、俺には生まれつき、そんなものは備わっていなかったみたいなんだ。」


童磨の経歴は非常に変わっている。
鬼殺隊に入る者はだいたい鬼によって人生を狂わされた者が多い。もしくは、色々な理由があって平穏な暮らしが送れない事情がある者。産屋敷家のように先祖から受け継ぐ因縁に囚われている者。そんな中で、童磨は家族を鬼に殺されたわけでもなく、命懸けで鬼と戦うには非常に浅い理由でここにいる。

「俺のとこの信者が鬼に襲われて家族を失ってね。可哀想だな、と思ったんだ。理不尽な目にあう人々は世の中にたくさんいるけれど。
幸い、俺は鬼を倒すだけの力があるだろう? だったら、人々のために俺の力を使わなきゃって。」

さらに童磨は言葉を紡ぐ。

「分かったんだ。ここにはたくさんの人の感情が渦巻いている。それは悲しみや怒りといった負の感情も多いけど、そこから生まれるのは、人の絆や愛、そして紡いでいく未来。前に突き進んでいく強いエネルギーの塊だって。俺はそれが知りたくてここにいると言ってもいいかもしれない。そして、いつか俺もそんな強い『想い』を感じることができたらいいなって。そしたら、人として、人の輪の中に入っていけるかなって、そう思うんだ」

鉄井戸はそんな童磨を心底哀れに思っていた。
こうして人々を助けるためになんの見返りも求めずに身を削る童磨は、痛みを感じないせいもあって傷つくことを恐れてもいない。正直、自分自身を軽んじているようにも見えていた。そして、身を呈して守った人々からの感謝の言葉も、きちんと受け取れてはいないのだ。想いをきちんと受け取れず、与えることもできない人間は人の輪の中に入れない。既に家族もおらず、童磨のことを真に想ってくれる人もいない。童磨自身すらきちんと感じ取れないこの孤独を、いつか誰かが癒やしてくれるときがくるのだろうか。


それからしばらくして童磨はある娘と出会うことになる。
決して幸せな人生を歩んでこなかった、幼子を連れた娘だったが、その瞳はどこまでも澄み渡り、何も感じなかったはずの童磨の心に明かりを灯す。
彼女を連れた童磨の笑みが、今よりもずっと色味を増し、鉄井戸を安心させるのはもう少し先。


願わくば、彼らに永遠の幸があらんことを。


あとがき。


この小説で一番書きたかったことを単刀直入に言いますと、

童磨って、もし鬼にならずに人間のままだったら、もしかしたら天使のように清らかなんじゃないか説


です…(; ・`ω・´)


童磨はサイコパスで猟奇的なイメージですが、実は嘘はあまりつきません。

他者に対する共感性はまったく持っていないけれども、共感しているように取り繕っている。そんな印象です。
悪意のある嘘はつかないし、そもそも他者に対する悪意すら持っていない。本人は可哀想な人たちの為に善行を施していると思っているのですから。

さらに快不快こそあれ、自尊心の強さもさほどなさそう。己の死すらあっさり受け入れてしまい、死へ追いやった者への憎しみもなく、攻撃性もみられない。(人を殺す、喰らうのはあくまで鬼としての性がそうさせるのだと思ってます)


両親やその他の人間たちを「愚か」だと小馬鹿にするようなことを言っていますが、人間だった頃、本当に目の前の人々を蔑んでいたのだろうか、、と私はなんとなく思いました。

もしかしたら、良い意味でも悪い意味でも「なんとも思っていなかった」のではないのだろうか、と。

そうなってくると、人間を蔑むような思考は無惨に影響を受けていると考えられますよね。


ということで、もう少し語りたいことがあるんですが、長くなるので次は漫画化した後に思いっきり喋り倒します…(笑)

乞うご期待せずwww


Bocchi talk

アニメ・漫画について一人でしゃべり倒します。現在、『十二国記』『忍たま』『鬼滅の刃』にハマり中。

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